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医学部じゃなくても医学系の研究職を目指せる!?~研究職×学部シリーズ⑥~

本記事では、医学研究者の概要や医学部出身者の割合、研究医と医学研究者の違いだけでなく、基礎医学研究者になるための流れや可能性など、多角的に解説していきます。
医学系研究職に少しでも興味のある方、あるいは自分の専攻がどのように生かせるかを知りたい方は、ぜひ最後まで目を通してみてください。学部専攻やキャリアパスの違いを理解することが、将来の選択肢を増やす大きな手がかりになるはずです。


医学研究職と聞くと、まず医学部卒業の人だけが目指す職業だと考える方が多いかもしれません。しかし、実は理系学部の卒業生であっても、大学院を経由したり関連分野での実践的な経験を積んだりすることで、医学系の研究職へ進む道が開かれています。

本記事では、医学研究者の概要や医学部出身者の割合、研究医と医学研究者の違いだけでなく、基礎医学研究者になるための流れや可能性など、多角的に解説していきます。大学や公的機関以外にも視野を広げれば、さまざまな研究環境が用意されていることがわかります。

医学系研究職に少しでも興味のある方、あるいは自分の専攻がどのように生かせるかを知りたい方は、ぜひ最後まで目を通してみてください。学部専攻やキャリアパスの違いを理解することが、将来の選択肢を増やす大きな手がかりになるはずです。

◎医学研究者とは

医学研究者とは、基礎医学から応用・臨床研究まで幅広い領域で医学の発展に貢献する専門家を指します。

具体的には、病気の原因やメカニズムを追究する基礎研究から、実際の患者を対象とした臨床研究まで、多岐にわたる活動を行います。こうした研究者は学術研究機関だけでなく、企業や公的機関でも活躍し、新たな治療法や予防法の開発につなげています。常に世界中の研究成果をキャッチアップしながら、既存の理論や手法を深め、さらなる発見を目指す姿勢が求められます。

また、研究申請や予算獲得など、研究室の運営にかかわる実務面にも一定のスキルが求められます。国や企業からの研究費や助成制度を活用するためには、専門知識だけでなくプレゼンテーション力、チームマネジメント力なども必要です。研究を継続し成果を出すためにも、多角的な能力をバランスよく磨いていくことが大切です。

医学研究者が携わる具体的なタスクには、実験計画の策定、細胞や組織の解析、動物実験や臨床データの統計解析などが挙げられます。新たな治療法の開発を目指す場合は、分子生物学や薬理学などの知識を応用し、複雑な疾患メカニズムの解明を行うこともあります。論文執筆や学会発表は研究成果を広く知らせる重要な手段であり、国内外の学術交流を通じて多くの分野の専門家と連携しながら研究を進める点も特徴的です。

◎医学部研究者の割合って?

医学系の研究職の多くを医学部出身者が占めているイメージがありますが、実際の割合は研究分野や機関により異なります。

たとえば、臨床研究を主に行う研究室や大学病院では、やはり医学部卒の研究者や医師免許を持つ研究医が多い傾向にあります。臨床現場の課題をダイレクトに研究に反映できるため、医師としての経験が強みになるからです。一方で、分子生物学やバイオインフォマティクスなどの基礎研究では、理学部や工学部出身者、さらには情報系のバックグラウンドを持つ人材も高い専門性を発揮しています。

この多様な学部背景は、近年の学際的な研究の推進によってさらに加速しています。共同研究や産学連携によって、専門領域の垣根を超えた研究活動が盛んに行われる結果、異なる分野の知見を総合的に活用できる体制が築かれつつあります。医学部卒が多い研究室であっても、ほかの学部や分野と連携することでできることがさらに広がるでしょう。

・学部背景の多様性

理系学部などを経て医学分野に進むケースは一定数見られます。たとえば物理学の手法を応用して画像診断の解析を行ったり、工学の知識を生かして医療機器の研究開発に携わったりと、多様な専門性が医学研究に寄与しています。大学院で専門を変更したり、ポスドクとして新たなフィールドに参入する研究者も多いため、学部時代の専攻だけに限らず幅広い可能性があるといえるでしょう。

◎研究医と医学研究者の違い

研究医と医学研究者は似た職種に見えますが、実際には携わる業務や専門性に微妙な違いがあります。

研究医は患者診療と研究活動を並行して行うスタイルが一般的で、日常の医療行為から得た問題点やヒントをすぐ研究に生かせる利点があります。一方で、研究に割ける時間が制約されるため、臨床業務との両立が難しくなる場合も少なくありません。医療の現場感覚を常に保てるというメリットと、研究に集中しにくいというデメリットの両面があるといえるでしょう。

医学研究者は、医師免許を必ずしも持たず、基礎研究を中心に取り組む人から応用研究に携わる人までさまざまです。医師免許がない分、がんや免疫、脳科学など特定の研究分野に深く没頭しているケースが多く、理論や技術の開発に特化することができる点も魅力です。自分がどのスタイルで研究に関わりたいのかを見極めることが、キャリアを考える上で大切になってきます。

◎基礎医学研究者になるには

基礎医学研究者を目指すためには、大学院進学や関連分野での研究経験が重要となります。

学部卒業後に大学院に進学し、基礎医学系の研究室で修士・博士課程を経るルートが一般的です。博士号の取得は、研究職としてキャリアを積んでいく上で非常に有利であり、特に国立研究所や大学でのポストを目指す場合にはほぼ必須といえます。一方で、修士課程の段階から企業の研究部門で働くケースもあり、早めに実務に触れながら自分の専門を確立していく選択肢もあります。

海外の研究機関や学会に積極的に参加することで、国際共同研究の機会を得られる点も見逃せません。英語力はもちろん、異なる文化や研究観を理解し、共同で成果を出す能力が求められます。基礎医学研究ならではのスケールの大きいプロジェクトに参加し、多くの研究者と交流できる環境は、それ自体が大きな学びの場ともいえます。

・大学院への進学

大学院に進学して基礎医学系の専攻や研究室に所属し、修士から博士課程へと進むことが代表的なルートです。大学院時代は研究方法論や専門知識を体系的に習得し、論文執筆や学会発表を通して研究者としての基礎を築き上げていきます。特に博士課程では、独自の研究テーマを深く掘り下げる期間となるため、自分の適性や興味を最大限に活かしながらスキルを磨くことが肝要です。

・研究領域の選び方

基礎医学研究の分野には、分子生物学、遺伝学、細胞生物学、免疫学など多様な領域が存在します。研究内容によっては実験のスタイルが大きく変わるため、微生物を扱うのか、遺伝子組換え技術を用いるのか、データ解析をメインにするのかなどをよく考える必要があります。自分の得意分野や興味が持続しやすいテーマを選ぶことで、博士課程での学習やその後のキャリア選択でも大きなモチベーションにつなげられるでしょう。

◎まとめ

医学系の研究職は、医学部に限らず理系出身者であればチャレンジ可能であり、多彩なキャリアパスが存在します。

医学部出身者が多いイメージがありますが、実際は理学部や工学部などさまざまなバックグラウンドを持つ人が活躍しています。研究医という道を進めば、患者を診ながら研究を続けるダイナミズムが得られますし、医学研究者として基礎研究に没頭することも可能です。

大学での研究室や会社での研究に携われば、社会に直接貢献できる新薬や医療技術を世に送り出す喜びを味わえるでしょう。

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