安全性情報管理(PV)の仕事内容
安全性情報管理(PV)とは、治験時の被験薬や市販されている医薬品の安全性に関する情報を収集し、副作用の有無について調査や報告をする仕事です。ここでは、安全性情報管理の仕事内容について紹介します。
安全性情報管理(PV)の具体的な仕事内容
治験中は臨床開発モニター(CRA)によって新薬の情報収集が行われていますが、新薬の安全性について十分な情報が得られているとは言えません。なぜなら、治験では、治験に参加した限られた患者の数しかデータを収集できないからです。一方、市販後の医薬品は、不特定多数の様々な疾患を持つ患者様が服用することになるため、効能や副作用の面で新たなデータを収集することが可能となります。
安全性情報管理は、臨床開発モニター(CRA)などから上記のような市販後の医薬品に関する情報を収集して、副作用の重篤性や医薬品の因果関係を詳しく分析・調査し、規制当局へ報告するのが仕事です。医薬品の服用後に副作用が確認された場合は、医薬品の添付文書や患者向けのパンフレットなどを改定して、副作用の再発を防止するのも安全性情報管理の仕事に含まれます。また、海外の医薬品情報を扱う場合は、安全性情報管理が文章の翻訳を行うこともあります。ただし基本的には、プロの翻訳家に委託することになります。
安全性情報管理に必要な知識とスキル
医薬品の分析や調査を行うという業務の特性上、医学や薬学に関する知識は必須となります。医薬系の大学を専攻している人や、薬剤師の資格を有している人であれば、就職や転職に有利です。安全性情報管理の業務では、医薬品や症例に関する膨大な量の情報を分析・調査することになります。そのため、情報を正確に素早く整理する能力や、スケジュール管理の能力が高い人は、安全性情報管理の仕事に適した人材です。
上記の通り、安全性情報管理は海外の医薬品情報を扱うこともあります。したがって、英語力に長けている人も、安全性情報管理の仕事に向いていると言えるでしょう。さらに業務の中で、海外の研究論文に目を通し、副作用に関する情報を収集することも多いため、日頃からこうした研究論文を読み慣れておくと、安全性情報管理の業務に生かすことができます。このように、医学・薬学への強い関心と英語力の両方を持っていると、即戦力として活躍することができるでしょう。ただ、これらの能力を有していない場合でも、高度な知識やスキルを必要としない仕事から始め、徐々にスキルアップしていくこともできます。文献の検索やデータ入力などからスタートして、安全性情報管理としての知識を蓄えていく人も少なくありません。