薬効薬理の仕事内容
医薬品の開発は、原料の安全性や具体的な人体への影響、発生する副作用などを明らかにして、病気治療に最大限の効果を発揮するように作る必要があります。新薬に欠かせない、効果を確かめる薬効薬理の試験とは、一体どのような試験なのでしょうか。ここでは、薬効薬理を担う研究者になる方法と、詳しい試験のやり方について紹介します。
薬効薬理とは?
新しい医薬品を開発する過程では、候補となる新薬がいくつも完成します。新たに作られた医薬品は、人の手に渡る前に様々な実験をクリアする必要があり、その実験の1つに薬効薬理試験があります。薬効薬理試験は、薬の効果を確かめ、最大限に発揮する服薬方法を探る実験のことです。1度にどれほどの量を摂取するのが適切か、どのくらいの頻度で服用すればよいのかといったことを探るというわけです。また、それが安全かつ誰にでも同じ効果が出せるように、環境や条件を変えながら繰り返し実験を行います。
そのほかにも、新たに作られた医薬品の評価をすることもあります。こうした実験や評価によって、病気のメカニズムや、まだ解き明かされていない免疫システムに迫ることができるのは大きなやりがいになるでしょう。
薬効薬理試験の具体的な方法
薬効薬理試験では、医薬品を使用したときに、誰にでも十分な効果が得られるかどうかを調べます。実験は、研究対象の医薬品を動物に服用させて効果を確かめるというものです。医薬品の効果を確かめるための実験なので、その医薬品の効果を検証できる動物を使用します。例えば、血圧を下げるための薬であれば高血圧の動物を、動脈の流れをよくする薬であれば動脈硬化の動物を用いるといった具合です。実験に使われる動物と言うとラットやマウスをイメージしがちですが、試験によっては、サルやブタといった大型の動物なども用いられます。実験する医薬品に適した状態・種類の動物が使われるのです。
細胞レベルでの実験から1つ進み、実際に動物に医薬品を投与してみると、効果が弱いなどのような課題が出てきます。その結果を受けて、薬の量や頻度などを微調整しながら、実験を繰り返していくことで、薬の効果を高める服薬方法を探るという流れです。
薬効薬理の研究者になるためには?
薬効薬理試験は、医薬品メーカーの研究機関などで行われています。研究者となるためには、大学や専門学校で医学や薬学などの理工系を専攻している必要があるほか、職場によっては修士や博士の学位が求められることもあります。