R&Dコラム

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応用研究の仕事内容

どんなに画期的な新素材や新発見でも、それが利益につながらなければ、企業にとって役に立ちません。応用研究とは、主に基礎研究で生み出された素材や理論などを、実用化したり製品化に結びつけたりする研究のことです。ここでは、応用研究の仕事内容や、必要となるスキルなどについて紹介します。


応用研究の仕事内容

応用研究とは、基礎研究の成果を踏まえ、具体的な技術や製品へと結びつけていく研究です。例えば、基礎研究によって「熱を遮断する繊維」が生み出された場合、それを生かして冬でも暖かい衣服や、冷気を遮断するカーテンなどを開発するのが応用研究となります。また、基礎研究の過程で、予定とは異なる仕様の新素材が生まれることも少なくありません。このようにイレギュラーな形で生まれた素材や技術を活用することは可能か検討し、可能であれば製品化につなげるために研究を行うのも応用研究の仕事内容に含まれます。

文献調査を実施し、研究に必要となる情報を収集・管理したり、研究成果を発表したりすることもあります。さらに、応用研究では、新素材そのものの製造方法や製造機械などを改善する研究も行われています。質の高い素材を効率よく製造できるようになれば、製品化の研究が早く進むだけでなく、企業の利益を向上させることにもつながるので、非常に重要な業務と言えるでしょう。

応用研究の仕事に必要となるスキルは

応用研究は研究職に分類されます。基礎研究と同じく、専攻する分野に関する高い知識や技術がなければ応用研究の仕事をするのは難しいでしょう。逆に言えば、専門的な知識を持っている人、例えば食品メーカーで管理栄養士として働いていた人が、高度な栄養学の知識を生かして、商品開発の研究者として働くことは可能と言えます。また、大前提として理系の大学を卒業していることを条件にしている企業がほとんどです。そのうえで、遺伝子操作や細胞培養の経験、分析機器の使用経験など、専門的なスキルを証明できる経験を有していると、採用の際に有利に働くでしょう。研究の方向性や手法をロジカルに組み立てる論理的な思考力や、研究に必要な情報を集める情報収集力なども、応用研究では必要不可欠な能力です。加えて、文献調査の際に英語の論文を読むことがありますし、英語の論文を作成する可能性もあります。こうした業務に対応できるよう、英語力を磨いておくことも重要となるでしょう。

ちなみに、応用研究も基礎研究と同様に、チームを組んで仕事を行うのが一般的です。ほかの研究者とスムーズに連携が図れるように、働くうえでコミュニケーション能力が必要となる場面も多くなるでしょう。ときには社外の研究者とも連携することがあるので、研究の質や効率を上げるためにも、コミュニケーション能力はとても大切なスキルなのです。