2023.11.07
未経験から転職できる?薬剤師からCRA(臨床開発モニター)へ転職する際の注意点
新薬が世に出回るまでには、新薬の有効性・安全性を確認する臨床試験(治験)という工程が必要不可欠です。その臨床試験(治験)において重要な役割を担っているのがCRA(臨床開発モニター)という職業です。
では、CRA(臨床開発モニター)はどのような業務内容で、未経験からでも転職は可能なのでしょうか。今回は、薬剤師からCRA(臨床開発モニター)への転職を考えている方へ、必要とされるスキルや転職の際の注意点などをお伝えします。
■CRA(臨床開発モニター)とは
がんや難病などを患っている患者さんに対し、より安全で有効な新薬を提供するため、製薬会社などでは日々「臨床試験(治験)」が実施されています。
新薬の開発の最終段階として、ヒトへの影響を調べる臨床試験(治験)が行われており、通常は製薬会社が要件を満たした医療機関に臨床試験(治験)実施の依頼を出して行われています。その医療機関との窓口となるのが、CRA(Clinical Research Associate=臨床開発モニター)。新薬の有効性・安全性を確認する過程において必要不可欠な存在です。
■CRA(臨床開発モニター)になるために必要なスキル
では、CRA(臨床開発モニター)になるためにはどのようなスキルが求められるのでしょうか。
◇コミュニケーション能力
CRA(臨床開発モニター)の主な仕事は、臨床試験(治験)において、GCP省令(Good Clinical Practice=治験を実施する際に遵守すべき基準)などの規則に従って行われているかどうかを監視し、正しく進んでいるかモニタリングすることです。
それらの業務に際して、臨床試験(治験)が行われている医療機関や医療従事者の方との密なコミュニケーションは必要不可欠であり、スムーズに臨床試験(治験)を進行させるためには、CRA(臨床開発モニター)による他方とのやり取りが欠かせません。高いコミュニケーション能力が求められる職種です。
◇薬剤知識
新薬を取り扱うため、薬剤の知識も必須です。その点、スキルや経験を持っている薬剤師はCRA(臨床開発モニター)として活躍できる素養を持っていると言えるでしょう。
◇英語スキル
昨今は、日米欧同時開発など治験のグローバル化が進んでおり、そういったグローバルプロジェクトの担当になる場合は、英語のスキルも必須です。基準としてはTOEIC600点程度は求められると
また、外資系の製薬会社への転職を考えている人は、英語は当然のスキルとして求められると考えた方がいいでしょう。
◇資料作成スキル
CRA(臨床開発モニター)は、医療従事者や関係者との打ち合わせや治験薬の管理、モニタリング、資料チェックなどのほか、報告書などの資料作成も業務の範囲内です。臨床試験(治験)に関わる報告書は正確さが重要。資料作成スキルはもちろん、黙々と資料作りに向き合える忍耐強さも必要とされます。
また、グローバルな臨床試験(治験)の場合、モニタリング報告書も英語で作成しなくてはなりません。資料作成スキルと同時に英語スキルも求められる場合もあります。
◇スケジューリング能力
CRA(臨床開発モニター)は、GCP省令(Good Clinical Practice=治験を実施する際に遵守すべき基準)だけではなく、治験を行う手順や方法が記載された治験実施計画書(プロトコール)に沿って円滑に臨床試験(治験)が進められているかもモニタリングしていきます。進行管理を担っているため、スケジューリング能力も必須です。
臨床試験(治験)を行う医療機関を訪問できる機会や時間は限られているため、効率良く進めるための動き方を考え、日々業務に向き合うことが求められるでしょう。
■CRA(臨床開発モニター)は未経験でもできるのか?
CRA(臨床開発モニター)は専門的な知識が必要な職種のため、未経験からの転職は難しいのではないかと考えてしまいますよね。ただし、ワールドインテックPV臨床グループであれば、未経験やブランクのある方でも活躍できます。なぜなら、専任の講師による配属前研修を実施しているから。
歴史や倫理・法規・ICHガイドライン、GCP省令・ガイダンスなどの医薬品業界についての基礎や、臨床治験のロールプレイング、医学・薬学・臨床検査についての基礎的な教育など、CRA(臨床開発モニター)として働く上で欠かせないベースとなる知識を研修で習得できるので、未経験でも安心して働き始められるところが魅力です。
■薬剤師からCRA(臨床開発モニター)に転職する際の注意点
続いて、薬剤師からCRA(臨床開発モニター)に転職する際に覚えておきたい注意点をご紹介します。
◇薬剤師としてのキャリアアップよりも難易度は上がる
薬剤師としてキャリアアップする上で、転職活動に困ることはほとんどないかと思います。対してCRA(臨床開発モニター)は“優秀”で“即戦力”になってもらえる人材は募集しているものの、応募して全員が内定をもらえるかというとそうではありません。
そのため、医療業界でのバックグラウンドがあるとはいえ、薬剤師としてのキャリアアップよりは難易度が上がると思っておいた方がいいでしょう。
また、調剤薬局で働く薬剤師は、病院で働く薬剤師に対してCRA(臨床開発モニター)への転職における難易度は上がります。というのも、CRA(臨床開発モニター)として働くためには、病院の仕組みへの理解も必要だから。
病院の仕組みやCRA(臨床開発モニター)の業務内容をしっかり理解することが必要です。
◇患者様と直接関わる機会は少ない
薬局などで患者様と直接関わる薬剤師という仕事。患者様からの言葉が励みになっているという方も中にはいるでしょう。
CRA(臨床開発モニター)は医療従事者とのコミュニケーションが主となるため、被験者となる患者様との関わりは原則としてありません。そのため、患者様との関わりを大切にしている人にとっては不向きと言えます。
反対に、一般的なビジネススキルを身につけたいと考えている人や、患者様とではなく医療従事者と関わる仕事がしたいと考えている人にとってはぴったりです。
◇向いているのはデスクワークが得意な人
薬剤師として働くこととCRA(臨床開発モニター)として働くことでの大きな違いのひとつは、その資料作成の多さ。CRA(臨床開発モニター)は正確かつ膨大な量の資料を作成することが求められるため、打ち合わせだけではなくデスクワークの時間も多くあります。
そのため、CRA(臨床開発モニター)の職は黙々と作業を進められる人が向いているでしょう。
■CRA(臨床開発モニター)として働くならワールドインテックPV臨床グループ
専任の講師による配属前研修を実施しているワールドインテックPV臨床グループ。実務に直結した研修も用意されているため、未経験やブランクを不安に感じている方でも安心して転職できるでしょう。
また、大手製薬メーカーにて、専門的なコア業務に関われることも魅力。次のキャリアに悩まれている方は、ぜひワールドインテックPV臨床グループを選んでみてはいかがでしょうか。